悪魔との再会

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悪魔との再会

藤代に奈央の花屋の場所を聞いた。 今日は奈央に会いに行く。 奈央は俺を受け入れてくれるのだろうか。 もう1度俺たちは始まることができるのだろうか。 車を走らせながらいろいろな事を考える。 花屋の駐車場に車を停めて、店の中に目を向けると 俺の愛しい人がいた。 相変わらず可愛いい。髪が伸びたなあ。 少し痩せたかな・・・。遠くから見ているだけでも幸せだ。 でもこのまま帰るわけにはいかない。 俺は、ゆっくり店の中に足を運ぶ。 「すみません。花束を作ってもらえますか?」 「はい。」 と奈央が振り返る。 「・・・・諒・・さ・・ん」 「花束いいですか?」 「あっ、はい。どなたへの贈り物ですか?」 「いつも頑張っていて、いつでも一生懸命で、いつも可愛い 俺の大好きな人へのプレゼントなんです。」 「そ・・うなんですね。何色がお好きか分かりますが?」 「彼女は黄色が大好きなんですよ。特にひまわりが。」 「ひまわりですか・・・。私も大好きな花です。」 「そうなんですね。」 それから奈央は黙って花束を作っていた。真剣な横顔にドキドキした。 「・・・・できました」 奈央は俺にひまわりが真ん中にある可愛い花束を俺に渡してくれた。 支払いを終えて店の外まで案内される。 ********************************* 仕事をしていると、お客さんの声が聞こえてきた。 振りかえると諒さんがいた。 少し痩せたかな? 髪が短くなってる。 諒さんに見られながら花束を作る。この花束を誰にあげるんだろう。 私と同じひまわりが大好きな人への贈り物。 そうだよね。諒さんは前と変わらずステキだから新しい彼女ができていても おかしくないよね。 ***************** 「ありがとうございました。」 諒さんともう会えないのかな・・・・。 そう思っていたら、諒さんがつぶやいた。 「俺・・大好きな彼女を気づ付けてしまったんです。 彼女が俺の前からいなくなって本当につらかった。でも彼女も頑張っていると 思って俺も頑張ってました。 俺からは連絡するべきじゃないと思っていたんですが、彼女が迎えに来たら カッコ悪いから俺が彼女を迎えに行こうと思ってます」 「・・・・」 そういうと私に花束を渡してくれた。 「え・・・・」 「奈央、俺の隣にもう1度いてくれないか?」 「諒・・さん」 「やっぱり俺は奈央が好きだ。大好きだ。愛してる。」 「・・・・」 嬉しくて涙がこぼれた。 「奈央?返事をくれる?一生、俺の隣にいて欲しい」 「それって・・・」 私がとまどっていると、諒さんがポケットから小さな箱を取り出して蓋を 開けると、キラキラ光る指輪があった。 「これって・・・」 「もう奈央がいない生活は嫌だ。奈央俺の奥さんになってくれる?」 「・・・・・」 「奈央・・・俺の心臓止まりそう」 その言葉にプッと笑ってしまった。 いつもの優しい笑顔で私を見つめてくれて、 「やっぱり奈央は笑顔がいいよ」 と私の手を握った。 「返事・・・・」 「私も、諒さんがいなくて淋しかった。諒さんが大好きです。」 「それは、俺と結婚してくれるってこと?」 「はい。」 「やったーーーー」 大きな声で叫ぶと、私を抱き上げた。 「諒さん、ちょっと降ろして、ここお店の前」 「そうだった。嬉しくてつい。」 「奈央ちゃん、どうしたの?」 「オーナー。すみません、騒いじゃって。」 「いいけど、そちらは?」 「えっと・・・」 「今、奈央さんにプロポーズしてOKもらいました金井 諒です。 今後は奈央ともどもよろしくお願いします。」 「え!!奈央ちゃんにプロポーズ!!おめでとう。」 「ありがとうございます」 私と諒さんは、また一緒に住むことになった。 あのマンションはそのままで諒さんが住み続けてくれていた。 コンシェルジュさんが笑顔で迎えてくれた。 藤代さんに報告するととても喜んでくれた。 今日は両家の食事会、久しぶりに琉さんにあって、琉さんの奥さんに会うこともできた。 2人でリビングでまったり。 「奈央・・・」 「なに?」 「好きだよ。」 と軽く唇にキス。 「私も好き」 と諒さんを抱きしめる。 「大好きだよ。」 「うん。大好き」 さっきより熱いキス。 「愛してるよ。奈央。」 「愛してます。諒さん」 もっともっと熱いキス。 私達はきっと幸せになれる。                          ~FIN~   
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