―Clown―

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―Clown―

   君は大切な親友だから  同じ人を好きになって  一緒にはしゃいだ  始めは本当に あの人が好きだったんだ  君と一緒であの人が  だけど 気付いてしまった  いつの間にか君を  見つめている自分に  腕を絡めて歩く嬉しさに  君があの人を語る度  痛むこの心に  だけどいつだって  君の前では一緒に笑って  一緒にはしゃいだ  あの人が君を受け入れた時も……  桜舞い散る中  嬉しそうに恋人の腕を取る君  あの人に親友だと紹介され笑うけど  心が 胸が 痛い  お願いだから  早く行って……  この笑みが崩れる前に  君の隣に立っていたかった  お願いだから  早く行って……  道化のように  笑って君を送り出すから  なんて滑稽(こっけい)なお芝居  君はきっと気付かない  親友なんてもういないことに  なんて不毛な一人芝居  いつまでも笑い続ける  仮面の道化師  2008.2.21 《解説》  本格的に詩作を始めた十代後半の作。中学生で経験した、親友だった二つ年下の女の子への衝動的で淡い初恋をベースに、詩的に仕上げました。  半フィクション。感情部分は全てノンフィクション。
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