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 黄色い回転灯が回ってコンベアが動きだした。それほど待つこともなく、黒いキャリーケースが流れてくる。  龍太はケースを受け取り、混雑している送迎ロビーへ向かった。  Welcome Mr.海堂  英文字と日本文字が混ざった手書きのプラカードを頭にのせている男がいた。赤茶色の民族衣装(パソー)をまとい、庇のついた紺色の帽子をかぶっている。民族衣装といっても彼らの普段着なのだが。  案内人の名前はコ・デイン・テインタン、日本のスーパー<ワンダフルマート>の現地社員だと聞いている。  テインタンは親し気に笑いかけてきたが、龍太が硬い表情のままでいると、差し出してきた手をすぐにひっこめた。 「初めまして、海堂龍太です」  ぎこちない英語で自己紹介した。初対面で初めての土地だからというせいもあるが、そこに懐かしい人の姿がそこにいないことの方がより一層、彼を不安にさせていた。 「コ・デイン・テインタンです。車を待たせてあります。詳しいことはのちほど」  
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