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修二「てか、零。」
零「ん?」
部屋を見回していた零に話しかける。
修二「ずっとその格好だったから、零の顔見てないんだけど…。人に見られたくないのか?」
そうなのだ。零の格好は制服の上から黒いパーカーを着て、フードを目深に被っている。そのため顔が見えない。
零「あー、別に見られたくないわけじゃねーけど…。人の気配が多すぎて、落ち着かねぇんだよ。」
少しバツが悪そうに答える零。
修二「そうか…、確かに武道をやってる人は気配に敏いしな。うーん、じゃあ、どうするか。」
1人悩み始めた修二に
零「何がだ?」
修二「あー、顔が見えないともしもの時に零だってすぐにわからないだろ?」
零「なるほどな。それなら多分大丈夫だと思う。今日は入学初日だしで、フードだけ被ってたけど、明日からはこれもつける予定だ。」
そして、取り出したのは狐のお面だ。
顔全体が隠れるのでなく、鼻から上が隠れるようになっている。いわゆる反面と言うやつだ。
修二「な、なんだそれ。」
思ってもいない物が出てきて、驚く修二。
零「これは、真さんに貰ったんだ。顔が隠れるけど、全部隠れるわけじゃないし、目元も開いてるから、俺だってわかるだろ?それに、フードに狐のお面してる奴、あんまりいないだろ?」
声の調子から、嬉しそうだと分かる。てか、日常生活で狐のお面被ってる奴なんかいねーよ。
修二「そ、そうか。てか、真さん?誰だ?……まさか理事長とか、言わないよな?」
零「よく分かったな。星宮真吾。ここの理事長だよ。」
なんでもないように驚きの事実を暴露する零。
修二「はぁーーー?!」
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