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「ぬいぐるみくらいで、大げさじゃないの?
お巡りさんも迷惑じゃないかしら」
「いや、『落としものを警察に届ける』ってことを、タケルにも教えとかなきゃ。いい機会だろ」
「それもそうね。まあ近いしね、交番」
つぎの日ぼくは、『こうばん』っていうところに いくことになった。
こうばんって、また、こわかったり、さむかったりするのかな。
「このおさかな、ボクもらっちゃダメなの?」
「ダメに決まってるだろ?
いいか、タケル。きっとこの魚の持ち主は、公園に一緒に連れてくるほど、毎日大切にしてたんだよ。
落としてしまって、きっと悲しんでる。持ち主に返してあげなきゃな」
こうばんにいけば、ぼく、ミカちゃんのところにかえれるの?
かえりたい。
ミカちゃんにあいたいよ。
「これを息子のタケルが拾って来まして」
こうばんには、おまわりさん、って人がいて、ぼくをうけとってくれた。
「タケルくん、どこで見つけたのかな?」
「こうえんでね、ネコさんがもってたの」
「自宅の隣の……○○町の●●公園です」
「わかりました。お父さん、こちらの書類に記入をお願いします」
「はい」
おまわりさんは、にこにこしてタケルくんのあたまをなでた。
「タケルくん、よく持って来てくれたね。
落とした人は、きっとこれを探してるよ。
タケルくんのおかげで、この魚もおうちに帰れるかもしれない。ありがとうね」
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