シーラカンスの大ぼうけん

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9d507ffc-0240-47de-b5bb-f784de742c69 「ぬいぐるみくらいで、大げさじゃないの? お巡りさんも迷惑じゃないかしら」 「いや、『落としものを警察に届ける』ってことを、タケルにも教えとかなきゃ。いい機会だろ」 「それもそうね。まあ近いしね、交番」 つぎの日ぼくは、『こうばん』っていうところに いくことになった。 こうばんって、また、こわかったり、さむかったりするのかな。 「このおさかな、ボクもらっちゃダメなの?」 「ダメに決まってるだろ? いいか、タケル。きっとこの魚の持ち主は、公園に一緒に連れてくるほど、毎日大切にしてたんだよ。 落としてしまって、きっと悲しんでる。持ち主に返してあげなきゃな」 こうばんにいけば、ぼく、ミカちゃんのところにかえれるの? かえりたい。 ミカちゃんにあいたいよ。 「これを息子のタケルが拾って来まして」 こうばんには、おまわりさん、って人がいて、ぼくをうけとってくれた。 「タケルくん、どこで見つけたのかな?」 「こうえんでね、ネコさんがもってたの」 「自宅の隣の……○○町の●●公園です」 「わかりました。お父さん、こちらの書類に記入をお願いします」 「はい」 おまわりさんは、にこにこしてタケルくんのあたまをなでた。 「タケルくん、よく持って来てくれたね。 落とした人は、きっとこれを探してるよ。 タケルくんのおかげで、この魚もおうちに帰れるかもしれない。ありがとうね」
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