6話・学校一の美女VS催眠術

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 ふわぁぁぁあ。朝からいをりん♡と会えるなんて、私ってばラッキー♡  でも彼に気づいてもらうために目立つよう努力しているのに、全然目が合わないのよね。おかしいわ。  中学校も一緒だったのに、話したのはただ一度きり。それから、ただの一度も言葉を交わすことなく今に至るのよ……。  今だってせっかく同じ高校に通えているのに、クラスも違って絡む機会もなし。  このまま一生、見るだけで終わってしまったらどうしよう……!?  暗い未来に絶望を感じていると、いをりんのクラスの小柄な女の子が軽快な足取りでロッカーに入って来るのが見えた。  あの子、最近いをりんとよく一緒にいる子ね。  いをりんは基本一匹狼くんなんだけど、最近、女子とも一緒にいることが多いのよ。  もし私が同じクラスだったら、そのポジションは私だったかもしれないのに。えっ!? そうなの!? どうしよう、そんなの恥ずかしくて死んじゃう!!  小さな女の子がいをりんの背後に立ち、背中をちょいちょいとつつく。  !? 公衆の面前で何してるの!?  わりと激しめなボディタッチをかましたわねあの子。  私だっていをりんに触ったことないのに!  いをりんは振り向いてイヤホンを外すと、周りをきょろきょろと見回して小さくため息をついた。  そして女の子に顔を寄っ………!?  えっ。頭を胸に引き寄せ……引っ!?  はっあああああああああ?????  なっにしとんじゃワレエェェ!?!?!?!?!?  そこで見たのは、いをりくんが女の子の頭を抱いてなにかを囁いているシーン。  か、彼女!? う、嘘でしょ!? そんな情報は1mmも入ってきていないのですが!? し、信じないわよ!!?  指をかけていたスチール製の下駄箱が、みちみちと音を立てた。
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