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真白はふと思い出したことがあった。
「そういえば、あの男の子誰だったんだろう?」
「どうした?」
「うん、樹君の家を出た日にここに来て、家族のみんなに泣き言をもらしてたんだ。そしたら、凄く可愛い男の子が来て……」
自分をそんな風に言っちゃだめだ。
大切な人が苦しむだけだから。
少年の言葉は不思議と説得力があった。
彼の言葉に便乗するかのように、脳裏に樹や家族の言葉が響いたのだ。
「そんなことがあったのか。もしかしてそいつ幽霊なんじゃないか?それで真白に忠告してくれたとかだったりしてな」
「まさか、足もあったし、それにハンサムな男の人と一緒にお墓参りにきたみたいだったよ」
「そうか。まあ、そいついいやつだな。真白に大事な事伝えてくれたんだしな」
「そうだね。天使みたいな子だったな」
真白を叱った少年はどこの誰だか謎のままだが、またいつか会えることが出来るだろうか?
その時には、お礼の気持ちを伝えたいと思う。
大切な事に気付かせてくれたから
。
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