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「頭ぁ、もう随分雨が降ってないですぜ。このままじゃ村の作物がやられちまう」
「うぅむ・・・」
確かにここ一ヶ月くらい雨が降っていない。ここ最近では一番の干ばつだ。このままでは言われた通り村中の作物が枯れてしまう。
ムタクは思案した。
やはり雨乞いの儀しかないのか……
その夜呼ばれた十人ほどの男連中がムタクの家に集まった。
「やはり雨乞いの儀しかないと思うんだが」
ムタクの言葉に被せ気味に口を挟んだ。
「頭の言いたいことはわかります。しかし……」
トブヤミはそこまで言って口をつぐんだ。
「お前の言いたいことはわかる。だが他に方法はあるのか?」
周りにいる男たちは誰も顔を見ようともしなかった。
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