感情とはなにか

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「ぶぐがいじょー!!」 「うわぁっ、香蓮!?」 目が覚めたあと、医師が色々来て来て検査をした。 特に異常はないそうだ。 検査を終えて病室に戻ると待ってましたとばかりに香蓮が抱き着いてきた。 「もうっ!ぶぐがいじょーのバーカ!バーカ!俺よりバカじゃん!もうバガーっ!」 「…うん…ごめんね、香蓮…」 「違う!嘘!バカじゃない!俺がバカ!無理をさせた俺がバカ!副会長はバカじゃない!」 何言ってるんだろう。香蓮、頭大丈夫かな? 「ほら、病み上がりになんてことしてんだよ」 「会長…」 俺が困惑していると会長が俺から香蓮を引き離してくれた。 その後、ズンズンとこっちに近ずいてくるので思わず身構える。 「いっ…たっ」 「軽くデコピンしただけだろ。心配させた罰だ」 そう言って笑う会長の顔は吹っ切れたような明るい笑顔だった。 「生きたいから目を覚ましたんだろ?」 「…分かんないけど…なんか目を覚まさないとて思いまして…」 「あっそ」 会長に鼻で笑われた。 「「望ー!良かった!死んじゃったら呪おうと思ってたの!」」 「呪う?」 「「うん!生き返る呪いを調べたんだよー!でも、使わなくて済んだねー!」」 「そ、そうですか。ありがとうございます?」 呪いで生き返る? ジャンプして手を合わせて喜んでくれている双子に問いかけるのは無粋か。 すると、理音先輩が近くに来たと思ったら、左頬に痛みが走った。 「…え?」 「望の…バカっ!…心配した!」 「…すいません…」 ビンタされたんだ。 穏やかで優しい無口の理音先輩に。 周りの人もみんな瞠目して驚いている。 「あはは、まぁ良かったじゃん。副会長の目が覚めて…そうだ!副会長、何か話があるって言ってなかった?お兄さんから聞いたけど」 「あ、うん」 話…感情がないこと。いや、感じないこと? 説明しなきゃ、ちゃんと説明を…
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