アニマルプラネッツ

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「はいどうも~。アニマルプラネッツの、ぼくがパンダで~す」 「……。……麒麟です(低音)」 「いやいや、そっちの麒麟は伝説の動物の方ですから」 「声のええ芸人っぽくしてみたんですけど。ぬくぬくと笹ばっか食って太ってる奴には段ボール食ってた男のようにはなられへんのやな」 「苦労してる。みたいな言い方してますけど、こいつだって動物園でぬくぬくと育てられてますからね」 「お前はサカイ引っ越しセンターがあるからええよな」 「おやおや。急にNHKでは絶対にぶっ込めないこと言うてどうしたんですか?」 「ワシなんて所詮、象の当て馬やからな」 「松本引っ越しセンターだけですよ。貴方を当て馬にしてるのなんて」 「しかもこの切なさを伝えるにも『当て馬』なんて、わざわざ馬野郎を持ち出さんと例えられん俺の悲しさと、愛しさと切なさと心強さが分かるか?」 「篠原涼子になる直前までは少しだけ同情してましたけど、そこから一気にどうでもよくなりました」 「牛テールって十回言ってみて?」 「サモテリウムからキリンに進化したくらいに唐突ですけど、やってみましょうか?」 「オカピも知らんようなバカしか聞いてないとこでサモテリウムなんてボケても誰もわからんからはよ言え」 「草食動物とは思えないくらいキレてて怖いんですけど。じゃあ言いますね。牛テール、牛テール、牛テー 「牛は?!」 「せめて三回は言いたかった。って、『牛は?』って漠然とし過ぎててクエスチョンの意図が分かんないけど、なに?牛テールじゃないの?」 「ブブーッ。偶蹄類でした」 「ああ。そんなのありましたね。てか、蹄があっても奇蹄類なのは馬とサイとバクだけですからね。意外と覚えやすいですよね」 「お前は急になんの話をしてるねん」 「いやいや、俺も別にしたくてしてないですよ。あなたが日常会話ではまず聞かない偶蹄類とか言うから」 「お前の仲間はよく、岡田真澄みたいな名前つけられるよな」 「またまたメガテリウムがナマケモノの祖先だって言われた時くらい唐突な方向転換ですけど、そもそもファンファン大佐とか言われても今の人は絶対に分からないからね。何ででしょうね、ランランとかカンカンとかね」 「アンアンとかキャンキャンとかな」 「それはパンダじゃない。雑誌だから」 「知り合いになったところで一ミリも嬉しくないタイプの女子大生が読んでるようなやつだよな」 「あなたの場合そうなんだね。だけどあなたに合わせて、月刊Hanadaと正論読んでる女子大生ってのも嬉しくない気がしますけれど」 「俺様の意外な右寄り思想はともかく、お前の母ちゃんがパンパンだった頃から… 「昭和の悪口ッ!令和では言えない。しかも昭和の頃でもかなり酷い部類の悪口」 「とにかく。キリンは名前貰ってもヒカリやノゾミとかやからね。たまにしか静岡に停まらないから知事がぶちギレるような名前しか名乗れへんからね」 「ヒカリとノゾミだけでしょ新幹線っぽいのは。てか、静岡なんて香川の次くらいに用事ないからよく分かんないけど」 「お前は登呂遺跡に行くことがないからそんなことが言えるねんで」 「え?登呂遺跡に何があるの?」 「……熱川バナナ・ワニ園ってバナナもワニも目玉にしてるから欲張りやな」 「登呂遺跡の話はッ!?」 「まぁ、そう、慌てんな」 「いや、そう言っていつもお前は次々と脈絡のない話をして、俺がパンダだからって、俺の目を 「鵜の目鷹の目のようにしようとしたのがバレ… 「白黒してんだよッ!!」 「いや、ほんま、そういうとこ。そういうベタなネタを持ってるのもムカつくねん」 「どういうこと?」 「みんながもう、お前は白黒やって分かるやん。俺なんて黄色と黄土色?茶色?……みたいになってそういうボケもでけへん」 「そういうこと言われても、好きでこんな色にな…… 「うっさいわ。どうせ大人になったら中国帰るくせにッ!」 「白浜やったら天寿を全うしたるわッ!」 「なにをキレ返しとんねん。色の話だけしてるんと違うわ。『パンはパンでも食べられないパンは?』っていうベタももってるやないか」 「……。それ、フライパンの方がベタやないかッ!」 「食うたらお前らどうせ怒るんやろ?お前らが怒らんでも習近平とかがめっちゃ怒んねやろ?どんだけチベット人○○したって平気なくせしてパンダの命の方があいつら 「パンダの悪口だけにしとけッ!ややこしくなる可能性が0ではないことは黙っとけ」 「まあええわ。とにかくね。僕はいつかこうやって誰かと漫才をしたいなぁっとずっと思ってたんですよ」 「そこに、四川省の突っ込みマシーンと呼ばれるぼくがやってくると聞いて」 「……首を洗って待ってたんですわ」 「そこは長くしろよッ!」
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