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「あと、異常なまでに彼氏から束縛されている、美人でスタイル抜群、読者モデルの沙也香ちゃん……」
そういや、河合沙也香の隣には、いつもべったりと彼氏である坂本が張り付いてた。
あれ、拘束してたのか……いや、異常な拘束ってどんなふうにだよ……
「そして最大にして最強のラスボスは、生徒会長にして裏で学校を牛耳る絶対的女王かな。恐れ多くて名前も言えないよ。あの方には誰も近づくことすらできないし……」
なにそれ、めっちゃ怖いし……
身震いしながら、拓真は次第に弱気になっていた。
神様から授かったスキルがあるとは言え、そんな強敵に通用するのかはまだ未知数だ。
「はあ。そんな濃いキャラの強豪女子がうちのクラスにいたとは……俺、勝てるだろうか……?」
すっかり肩をすくめて縮こまっている拓真の背中を、琴葉は思いっきり、ばん、と叩いた。
「しっかりしなよっ。”自分を信じて頑張れば、きっと夢は叶う”ってさっき君が言ったんだよ!」
そうだった。
いや、まさにその通りだ。
「う、うん。俺、頑張るからっ!」
拓真は改めて、拳を強く握りしめる。
そうだ、俺には果たさなきゃならない使命があるんだ。
恋愛バトルに優勝して、必ず葵を取り戻してやるっ!
右手の紋章から微かに光が放たれる。
そんな拓真の様子を、神は目を細めながら空から見下ろしていた。
「さあて、そのスキルをどう使うのかのう。楽しみじゃて」
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