第八章:黄金の誘惑、恐怖のお宝ツアー!?

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②キャラメル作り体験。 「あ! ここなんか良い匂いがする!」 「ここはキャラメル作り体験ができるコーナーです」 「お、たしかツアーのプランに入ってたもんな。キャラメル作り体験。俺も一度作ってみたかったんだ」 「一人500キャンディーです」 「金とるんかい!」 「ツアーのプランには入ってますが体験料は入ってませんので」 チラシを指すおっさんの指先には隅の方に小ぃぃぃ~さく※尚体験料別料金と書かれていた。 「汚え」 「ビ、ビター」 メルトがうるうるとこちらを見上げる。 そりゃやりたいよな。 しかし一人500キャンディー……ギリギリツアーに参加できてさらに出費…… 「自分は遠慮します。ロバなんで」 NOとフィナンシェが前足を出す。紳士な引き際に感銘を受ける。 「はあ、メルトやれ。500キャンディーだろ。俺手伝いでいいから」 「そうやって二人ぶんやろうとするのやめてくだせぇ。セコいですぜ」 「セコいのはどっちだ!」 「手伝いだって体験してるじゃないですか。そういって子どもより熱中する親御さんいるんですよねぇ」 「テメェ……!」 「まあまあビターあんたもやりましょうよ。こういうのも良い経験になるでしょ。旅行先でケチにならなーい」 「ったく」 三人分払う。 「え、自分もですか」 「どうせならフィナンシェもやろうぜ。良いもの作ろうな」 「ビター様……トゥンク……」 ときめくロバに需要はあるだろうか。 こういう手作り体験なんてのは、観光地向けに誰でもできる簡単な工程か仕上げしかさせないと思っていたが、自称キャラメルのプロを名乗る先生が出てきてめっちゃ本格的なキャラメル作りをさせられとても良い経験になった。サンキュー自称プロ。 三人は自分の手で作ったキャラメルを食べ、 『美味しい~』 大満足だった。 「じゃ、お土産コーナー行きましょ」 キャラメルを食べ終えたビターたちは次なるプラン、お土産コーナー巡りへと導かれた。
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