1994年 敗走

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1994年 敗走

宇宙は、深淵の闇。 そこに夢を馳せる者も存在するが、俺の場合は、何故か家族の懐かしさを感じる…… 別に幼い頃に、家族でプラネタリウムを見に行ったなどというわけではない。 それどころか、 母は1980年に俺を産むとともに死んでしまい、 父も同じ年に宇宙の力を使う格闘家によって殺されてしまった。 俺の名は、黒沼三朗(くろぬまさぶろう) 俺も幼さなかったため、それほど明確に覚えているわけではないが、宇宙の力を使っていたという印象だけが残っている。 物心ついて、星神拳(セイシンケン)という宇宙の力を使う格闘技があるということを知った俺は、父の死の真相を探るため、その星神拳を学ぶことにした。 父を殺した格闘技が、本当にその星神拳なのかどうかもわからなかったが、 俺の人生を変えたはずの宇宙を見て、俺は家族を感じてしまう。 1994年、14歳になる頃には、星神拳の7つの流派全て学び終えた。 星神拳の流派は7つ。それらは全て、神話に関連した星座の神や人間に由来する。 星神拳(セイシンケン)は、そのどれも地球外から来る宇宙エネルギーを使用する点は共通している。 星神拳カシオペア流は、宇宙エネルギーを使い、人間の中に流れるエネルギーをその体内に封じ込め防御する。また、自分自身に使用することで余計な力の流出を防ぐ。 星神拳ケーペウス流は、他人を生贄することで、その者に流れるエネルギーを宇宙エネルギーに変え、自分の中に吸収することができる。 星神拳アンドロメダ流は、カシオペア流とケーペウス流の2つの特徴が合わさった流派で、他人のエネルギーを自分の中に吸収した上で、そのエネルギーの流出を止める事で、自分の身体を肥大化・巨大化することができる。 星神拳オリオン流は、水の中に宇宙エネルギーを流し込むことで、それを操ることができる。 星神拳ペルセウス流は、宇宙エネルギーを使い、相手の中のエネルギーを吹き飛ばし、石化をさせる。 星神拳ディオスクローイ流は、宇宙エネルギーを具現化させ、一時的に自分の分身を造り出すことができる。 星神拳ヘラクレス流は、宇宙エネルギーを使い、身体を強化させることができ、常人を超えた加速なども可能にする。
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