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ややして諦めたように小さく吐息を落とすと、
「……式前の大事な時期です。くれぐれも体調にだけは気を付けてくださいね。僕も車を置いたら日織さんのいらっしゃるブースに即行で顔を出しますので」
そう告げてチラリと恨めしげに日織を見遣って前方に視線を戻すと、ハンドルを握る手に力を込めてもう一度だけはぁーと大きく溜め息をついた。
「そっ、そんなに急がれなくても私、本当大丈夫ですよっ?」
〝即行で〟に力を込めたからだろうか。
途端、日織がひゃわひゃわと慌てたように手を振ったけれど、そこはあえて黙殺した修太郎だ。
まぁ、修太郎が心配するのもある意味仕方がないことではあるのだ。
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