裏切と武器商人

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「経費が掛かっていますよね、それWWW持ちです」 「あー、ざっと見積もって五億ドル位の働きですかね」    詳細は経理の者にでも、はっはっはと笑う。請求するつもりなどないのだ。 「私の命はそんなに安くない。そしてイーリヤ将軍の働きもだ。WWWはその十倍を支払うだろう」  島が拠点としているルワンダ、その国家予算の二倍を提示された。ロマノフスキーは驚きはしたが同時に納得もした。 「ではそのようにお伝えしましょう。今度あったら小官への報酬は是非その体で」  最後の最後まで笑いを残して彼らは消えていってしまう。相変わらず空には護衛の戦闘機とヘリ、きっと外海には駆逐艦、そして衛星からも警戒をしているはずだと想定する。 「なあジャック。世界は広いと思わない?」 「あー? ようやく解ったのかカタリナ。そうだ、世界ってのはすっげー広いんだぜ、へっへっへっ」  挑戦的な笑みを浮かべるカタリナ。その横顔を見てジャックも空を見上げて煙草をふかした。暫くしてジブチ港に到着すると多数の軍兵の敬礼で迎えられ、笑顔で上陸する一行であった。
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