悪趣味な奴もいるらしい

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ただ、ちらっと見てみると、 コイツ、ルックスが えらく整ってる。 背、これは椋橋さんより 高いぞ。もしかしたら 180越えの逢坂オーナーと 張るぐらいかもしれない。 顔立ちは鼻筋が スッと通ってて、 涼やかで、キリッとした 二重の目元が印象的で、 凛としていながらも すごく爽やかだ。 しかもちょっと ベビーフェイスとか どんだけ顔綺麗なんだよ。 またダークアッシュの ショートヘアがすっげー 似合ってんだ、これが。 でもなんでこいつ、 黒板消しの手伝いなんか してんだろ? 私はそんなことを考えながら せっせと机をきれいに並べて、 窓の鍵が施錠されてるかの 確認をした。 「うん、終わり。 若宮くん、ありがとう。 もう帰っていいよ。」 私がクキッと部活時代の癖で 肩を鳴らしてると、 若宮くんは何故だかその場から 動いてくれない。 なんだコイツ、 なんか言いたいことあるのか。 「若宮くん??」 「・・・市倉先輩。」 若宮くんは私の名前を呼ぶと、 コツコツとこっちに 近づいてきた。 「??」 私は若宮くんの心意が 分からないまま、 ぼーっと若宮くんの 方を見ている。 それにしてもこいつ やっぱ背たけーな。 私がそんなことを思いながら つっ立ってると、 若宮くんは、 私の前でピタリと足を止めた。 そして。
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