その後の両家。

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爽汰くんは目をパチパチ させて、それから、 「にーに!」 と、また諒さんを呼んだ。 「ん、どした、 爽汰くん、」 「ママ、すき??」 「っ、」 突然、素晴らしく ピンポイントで、 素晴らしく答えにくい 質問をかました爽汰くん。 諒さんの目が泳ぎます。 「えー、と、 ママって、ママ?」 こう言いながら 諒さんがひよちゃんを 指差すと、 爽汰くんは嬉しそうに コクンッ。 「ママ! にーに、 ママ、すきっ??」 無垢な瞳で、 諒さんを見つめる 爽汰くん。 諒さんは、誤魔化すに 誤魔化せなくて、 ものすっっごく焦ってる のがよく分かる。 さて、普段ひよちゃんに 素っ気ない諒さん、 なんて答えるかな? 「あー、・・・・、 にーにも、・・・、 ママのこと好きだよ。」 結局、諒さんは 爽汰くんのために 普段なら絶対言わない ようなことを言って。 ひよちゃん、 お口あんぐり、 瀧本くんは笑いが 止まらなくなった。 わたしもちょっぴり おかしくて笑ったけど、 瀧本くん、あんまり 笑ってると・・・・・・ 「・・・・何がそんなに 面白いか説明してくれる かな、孝太郎くん。」 ほら、諒さんに 睨まれちゃう。 瀧本くんはギョッとすると、 「あ、や、 なんでもないです、 お義兄サン・・・・」 と、すごすごと 笑うのを止めました。 瀧本くんと諒さんの関係、 ちょっと面白いよね。 というか、 ここが義理の兄弟 っていうのも、 なんだかすごい。 こんな風に、 子どもができても、 ずっと、お友だちで。 わたしもひよちゃんも、 今、 とっても充実してます。 (Fin.)
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