ダチュラ ーXmas ver.―

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 貫太とは行きつけの居酒屋が同じだったこともあり、何度か顔を合わすうちに親しくなった。介護士として老人ホームで働いていると聞き、心根の優しい善い人なんだろうと思った。  自分の祖父母でも少し苦手意識のあった杏子にとって、いつかは自分の手で介護施設をつくりたいと燃える貫太には尊敬しかなかった。  本人はそこそこイケてると思っているようだったが、正直見た目はまったく好みではなかった。顔も大きいし、髪も眉毛もボサボサだし、背は高いけどひょろっと痩せていた。  だが、好みではない見た目が気にならないほど妙に意気投合し、怖いくらいに話が弾んだ。  運命の王子様とはほど遠い気もしたが、このまま逃すのは惜しい。  酔った勢いでホテルに行った。これで体の相性がよければ文句はない。見た目のことは目をつぶろう。  32歳という年齢のわりにはあまり女性を知らないのかなというのが率直な感想だった。平たく言えば下手だったが、自分を満足させようと頑張っている姿を見ていると母性本能を激しく擽られた。  杏子は自然とまた会いたいと思っていた。  それから二人は付き合うようになった。
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