その裏のおはなし。

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俺としてはウキウキ だったわけですよ。 勉強教えるとか 超定番じゃん、とか 思ってたわけ。 で、 嵩良ちゃんが勉強 教えてもらって、 自分の部屋に戻った音が したから、蓮がどんな ツラになってんのか見て やろうと思って、 蓮の部屋に行ったんですね。 そしたら、 蓮が机に伏せていた。 おーい。なにしてんのー。 「れーん?」 「ノックしろバカ、」 「何伏せてんの? 嵩良ちゃんに蓮くんの 下心バレちゃった?」 「下心なんてない!!!!」 勢いよく顔をあげて 俺を睨む蓮。 いや、あるくせに。 「なにしてんの?」 俺が訊ねると、 蓮はまた机に伏せて しまった。 「藍に言いたくない。」 「あっそう、じゃあ 嵩良ちゃんに聞いてみよ~、」 「待って待って待って!!」 ぎゅーーーーーーーっと 俺の服を引っ張る蓮。 「れーん、 服が伸びるって~、」 「なんで嵩良さんの とこに行くんだよ馬鹿!!」 だって蓮が教えて くれないから。 直接きこうかと。 「嵩良ちゃんとなんか あったのー?」 俺がもう一度訊ねると、 蓮は口をへの字にして プルプルし始めた。 子どもか。 「蓮?」 「嵩良さんに、 ・・・・うまく数学 教えられなかった。」 お前、それで机に 伏せてたの?(笑) 凹む理由それなの?(笑) 「そっかー、 じゃあ今度は俺が、 痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い、 首絞まる首が絞まるっ、 ヴェッ、」 部屋を出ようとした 俺の服を、 引きちぎりそうな 勢いで引っ張って 阻止してきた蓮くん。
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