「番になるということ」

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桂人が最早有り合わせというレベルを越えた滅茶苦茶美味しそうな炒飯を作っている横で、僕はスープ代わりのインスタントラーメンに入れるネギを刻んでいる。 当然だけど今まで番なんていなかった僕は番がなんなのかなんて医学的な知識以外はよく知らない。 でも、こんな幸せな時間を共有している僕たちは、あぁ、番以上に番らしいなぁ、と思えて仕方ない。 僕たちはまた一緒に食べて寝て、起きて笑って共に時間を重ねていく。 それが、堪らなく愛おしい。 堪らなく尊い。 誰がなんと言おうと、僕は桂人の番で、桂人は僕の番だ。 料理をする桂人を後ろから抱き締め、絆創膏の上からもう一度そこに触れるだけのキスをする。 幸せそうに笑う桂人には、花のような笑顔という言葉がぴったりだと、そんなことを思った。
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