2人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
私から、あなたへ――。
名前も知らないあなた。
私は、あなたと共に歩みたかった。
あなたと沢山の思い出を作りたかった。
あなたはどこにも居ない。
ここに辿り着く前、あなたは沢山の天使に邪魔をされて、きっとここまで辿り着けなかった。
どれほど険しい道のりか、私は知ってる。ここに辿り着いても、良い事ばかりじゃない。嫌な事も怖い事も、苦しい事も沢山ある。
二度と会えないと分かっていても、それが予め決められた事だったとしても、それでも、私はあなたに会いたかった。
私からあなたに送れるものなんて、本当は何もない。私は今もずっと貰い続けているのに。
あなたが居たという事実だけで、こんなにも沢山の物を毎日貰っているというのに。
そんな私から一つだけ、誰も知らない、名前をあなたに――。
最初のコメントを投稿しよう!