自立村

2/118
51人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
「相変わらず、臆病者だな!タケルは……」 「何なんだ!沢山の計器類が有るよ……」 「外と中じゃ全然違うぞ……」 「それに、狭いけど二人乗りのシートまであるよ。」 「これって、船なのか?」   「誰だ、お前達は!勝手に入りやがって!」 「ご、ごめんなさい……」  外から変なお兄さんが突然入って来た。 「お、お前達、も、もしかして……お前は、健太か?そ、そして、お前は……」 「お兄さん、何で僕の名前を知っているの?」 「そ、それは……」  これがタイムマシンとお兄さんとの初めての出会いだった。 「どう言う事だ……何で幼少期の俺がここに居るんだ……」 「あのぉ……お兄さん、今何か言った?」 「いやっ、何でもない……の、乗ってみるか!俺の作った海中船に……」 「うん、乗せて!」  健太は好奇心旺盛で操縦席に入って行ったが、僕は怖かった。  何故なら、どもってる、お兄さんが何となく怖く信用出来なかったからだ。 「お兄さん、この乗り物はいったい何なの?」 「タ、タイムマシーン、海中船だ。  み、未来、過去、行きたい場所、ど、何処でも行けるんだ。」 「タイムマシーン……」 「マジで……お兄さんが作ったの……」 「お、俺だけじゃ作れないさ……二年前に完成したんだ!  い、行ってみるか?俺達の住む村に」 「俺達が住む村?」 「あぁ、そうだ。そこは、地図などに存在しない村、このタイムマシーンじゃないと行けない村なんだ。」 「健太、やめようよ……絶対、ヤバいって……」 「臆病者だな!タケルは……」 「お兄さん、直ぐに帰ってこれるんだよね!」 「も、もちろんさ!す、直ぐに帰ってこれるよ。」
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!