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ーーー奏視点ーーー
「あら、節子さんいらっしゃい。今日は何しに来たの♪」
実家の片付けを手伝うために家に戻って来た私に、おばあちゃんはそう笑顔で言ってくる。
「私は奏だよ、おばあちゃん。片付けの手伝いに来たの」
おばあちゃんは私が結婚してしばらくして今のような状態になった。
私を見るたびに節子さんと声をかけて来て、今日の授業は退屈だったとか、帰り道でこんな事があったとか、いろいろ話しかけてくるのだ。
もちろんおばあちゃんは授業なんて受けてないし、こうなってからは外出もほとんどさせてない。
いわゆる認知症というやつである。
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