リモート飲み会の為

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「別れたら?」 お昼ごはんを食べていたら菜々に言われた。 「束縛されて部屋に知らない人連れて来られて、食事作らされるって過酷じゃない?」 「料理上手って言われると悪い気はしないの。自慢されてるみたいで。」 「でももやもやしてるんでしょ?」 「まぁ……。真ちゃん、田畑さんが来ると部屋が一気に狭くなる気がするの。」 「デカくて邪魔なんじゃない?」 「ううん、容量じゃなくて動かないの。彼、来て座ったらそこ定位置でリモコンも取ってって言うの。ゴミ箱にゴミ投げて入らないとそのままでね、本とか漫画とか引っ張り出して読んで、コンビニで買って来たお酒とかつまみとか出して食べてそのまま帰るのね。」 「………最悪。」 菜々に見つめられて言われて、思わず顔を見合わせたままで、 「……だよね?」 と返した。 「翌日、掃除する暇なく出勤して、帰宅して掃除しようと思うと来るの。でね、こいつ掃除苦手なんだよねぇーって可愛い女子の前で言われるの。なんかね?もやもやしない?」 「いや、それお前が犯人だよって指差して良い案件じゃない?」 笑って言われて、そうかもと少し笑えた。 伊藤の計らいで、真ちゃんの予定を聞いてから同期のリモート飲み会の日を決めてくれた。 真ちゃんに予定を聞いて、どうしても取引先に行かなきゃいけない日があって帰りが遅くなるから来られないと言った金曜の夜に予定を入れてもらった。 ついでに前日も真ちゃんに訪問を断ろうと思っていたら、飲み会があるんだと言っていたので、大丈夫?と心配したら、 「まだ2月だしさ、全然大丈夫だよ。」 と軽く言われた。 危機管理能力ないんだって少し思ったけど、確かにニュースもまだ対岸の火事っぽい感じで歯医者に行くのを我慢してる自分を警戒し過ぎかなとか思った。
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