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「怖がらせてすみません! もっと考えて話しかけるべきだったのに、私も急いでたというか混乱してたというか! もうほんと、自分昔からバカで……。ちゃんともう一度事情を説明しようかとも思ったんですけど、怖がらせたならそれはそれで菊池に近づかなくなるかもって安易に考えてたんです!」 「い、いえ! 顔をあげてください、私ももう少しちゃんと話を聞けばよかったんですよね。お姉さんのことでいっぱいだったろうに私に警告までしてくれて、ありがとうございます!」  私が慌ててそう言うと、須藤さんはふにゃふにゃの顔をしながら顔をあげた。あの時見たのとは全然イメージが違う可愛い女の子の顔だった。ついほっとする。  九条さんが話の続きを話す。 「と、いう事情をあの日、私と伊藤さんで聞いたわけです。そこでようやく私は今まで感じていた違和感の答えにも気づき、菊池正樹がとんでもない輩だと分かったわけです」 「で、私に電話をくれたってわけですか」 「残念ながら遅かったのですが」
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