縁がほどけて切れて

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「今日も知らないおじさんに買い物をしてもらった」 という書き込みを見るたびに 彼女は何が欲しかったのだろう と ぼうっと考えてしまう そしてその考えは私の心の闇となり 黒々としたタールのようにたまっていく 結婚しても 孤独の意味は変わらない だからこそ 孤独と 一人の自分と うまくつきあえるかどうか が 実家にいる時よりなおのこと大切なんだと 私は知った 今日はハイブランドのバックを買いました今日はかわいい服を二万円で買いました今日はネイルチップをデザイナーさんにオーダーメイドで作ってもらいましたねえ私ってかわいでしょステキでしょ働きたくないの大変そうだから自分がかわいい自分がカワイイ私だけが世界で一番かわいい最近夫も老けてきて一番乗りで結婚したのにもう飽きてきたなあハイブランドのバックを買ったらちょっと安いやつと取り換えるように夫も男も取り換えるそんな生活を送っているのさみしいのさみしいの誰か私にかまって私のかわいいはもうないの全部架空なの嘘なの本当は愛されたかったの夫にもっと家にいてほしかったの だから あなたが憎い そう言われているようで 私は彼女との縁の糸をスパッと切った すっきりすると思っていたら よくよく私の心を観察すると まだタールが残っている 排便と同じように この心のタールも 心が出血しているから起こるのであって 私の心は忙しくて痛んでいたんだろう もう 大丈夫だよ 彼女に足りなかったものは本当は愛で そんなのわかりきっていることなのに 私はやさしく毛布にくるまる 自分の心とからだを 一番に愛してあげられるように
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