act1 closing 「初夜」

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本当に今日はお義父さんのことから拓海のことまで、心労の絶えない一日だった。 あー、マジ疲れた…… って、あれっ?拓海?あっ、そうだった!拓海の話をしてたのに、ついつい自分の今までを思い返してしまった。 というわけで、みやまーを泣かせるようなことをした拓海が睨まれるのは、仕方がないと言えば、仕方がない。 けどなぁ。もう二人が別れて5年経ってんだよ?それに、今みやまーが落ち込んでるのは、中村さんと別れたからであって拓海関係ないでしょ……ん?関係あるのか?拓海が浮気なんかしなければ…… でも、俺は知っている。拓海がみやまーと別れたことをどれだけ後悔しているか。 みやまーが中村さんと付き合い始めたことを知った時の、拓海の落ち込みようといったら、それはもうひどかった。 拓海は帰国のたびに俺からみやまーの状況を聞いては、「香奈が幸せならそれでいい」って何度も自分に言い聞かせるようにつぶやいていた。 萌ならきっと「自業自得だ」って言うと思うけど。俺は拓海がかわいそうになった。 それでつい、拓海を焚きつけるようなことしてしまったけど……みやまーには悪いことしちゃったかなぁ? 萌が知ったらきっと「自分のせいで別れたくせに、今さら虫がよすぎる」って怒りだすよな。そして俺、「余計なことして!」って絶対𠮟られる…… あーあ。俺はただただみんなで仲良く、平和に暮らしたいだけなのに。どうすればいいんだー!
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