第一章「失敗作」

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第一章「失敗作」

 自分が働いているこの場所を一言で言い表すと、ここは”戦士という製品を造るための工場”だと言える。  つまりは、戦う力を持たない者たちの代わりに戦ってくれる存在を生み出す施設である。  自分が働く以前からそうだったと聞けば、例えその戦士が人間を素体とした兵器であったとしても、施設の存在意義を否定することなど出来る筈もない。  戦士を造らなければ代わりに自分が戦場に立つことになるだろうし、そうなった時に生き残れるだけの力の持ち合わせもないからである。  故に、自分や同僚は目の前に与えられた作業に取り掛かるしかない。  生命をもてあそぶ自らの行いを省みないままに。
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