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6月16日
とりあえず10数年、振り返ってみた。
振り返ってみたものの、特段大きな出来事も面白い事件も無い、普遍過ぎる毎日だったことを何だか嘆きたくなる。
嘆きたくなるし、思えば僕はいつも細かいところで嘆き続けていたように思う。
普通の人の通常時が±0の感情とすれば、僕は常時-3くらいの感情で過ごしているような気がして、またその事について嘆きたくなる。
でもよく考えると、もし今後僕に本当に辛くて悲しい出来事、例えば-10くらいの出来事があったとして、普通の人であればそれは-10の振り幅がある事なのだけど、常に-3で生きている僕にとっては-7の出来事に過ぎないのではないかと、何だか得をしたようにも感じるのだ。
まぁ実際にはそんな単純な話ではないのだろうけど、よく考えれば結局そんなことは最終的にどうでもよくなるのだから、そういうものだと割りきって、僕は今日の晩御飯に思いを馳せるに至るのだ。
6月16日。
僕にとっては何の記念日でもないこの日付を、何かの指標値に模して今日の僕はヒレカツに味噌を塗りたくって食べる。
誰が何と言おうが、全ての物は味噌を付ければ旨いのだから。
でも僕の本当の好物がウスターソースをかけたカキフライであることは、あまり大きな声では言わないようにしている。
おわり。
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