屋上の昼休み

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屋上の昼休み

学校の昼休みの時間、実空(みく)は青空が見える屋上に来ていた。 「わぁ……いい天気」 実空は空を眺めて明るく言った。 今日の屋上は人の気配がなく、実空一人のようだ。昨日も屋上で昼飯を食べたが、知らない生徒が数人いた。 一週間前から実空は教室で昼飯を食べるのをやめて屋上に来ている。何故なら実空の友人だった五人の女子達が食べているからだ。 実空は一人が嫌で五人と絡んでいた。しかし先週の昼休みの時間に事件は起きた。実空が席を外して戻ってきた時に、五人のうちの二人が実空の悪口を言っていたのだ。あまりに聞くに耐えないことばかり口走るので、廊下で聞いていた実空はきつい口調で言った。 「言いたいことはコソコソ言わないではっきり言ってよ」 実空が言うと、他の三人も実空のことを良くは思っていなかったことを言われ、この事が決定的となり、実空は五人との付き合いを一切絶つこととなった。 寂しくは無かった。むしろ一人になって清々しい気持ちになった。一人が嫌だから誰かと一緒にいても得することがないのを実空は痛感する。 実空は設置してあるベンチに腰かけて、購入したコッペパンを頬張った。 「美味しい」 実空は満足げに口走る。 一人で食事をするのに対し不安じゃないというと嘘にはなるが、日数が経つにつれて慣れてきた。同時に教室で一人でいることに対してもだ。 今は人の目を気にせずに食事ができることに一種の解放感を抱いていた。 「ごちそうさま」 二つあったパンの袋を空にして、ポリ袋に入れた。 そして実空は上着のポケットからスマホを出し、休み時間が終わるギリギリの時間までいじっていた。
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