§13

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「後藤……僕は……」  お前に。  信頼できて、優しくて、勇敢な男に。  がら空きの隣を、埋めてほしい。  迷子になった子どもみたいにすがりつく僕の背を、後藤の掌がゆっくりと撫でていく。  遠いところで救急車のサイレンが鳴っているのが聴こえてきた。
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