あしあとのかげ

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あしあとのかげ

 祖母の家は、小学校の通学路の坂道を、右に抜けたところにありました。ささやかに植木の植えてある小さな白い家に、祖母は祖父と二人暮らしていました。  私と翔は帰り道、祖母の家に遊びに行きました。少し悪い子になった気がして、得意な気持ちになったのを覚えています。  祖母はいつも私と翔を歓迎してくれました。「よく来たねぇ」とドアを開け、笑顔を向けてくれました。祖父は無愛想で口べたなひとでした。だから、私たちが来ると、「来たか」というとむっつりと黙り込み、新聞を読むふりをしたり、部屋にこもったりしていました。
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