エピローグ

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「ほとんど家族みたいなもんなのに黙って付き合うのも申し訳ないだろ。バレるの嫌かもしれないけど一度挨拶には行くから」 と最初から言ってくれてたけど、まさかこんなに早くとは思っていなくて、これから行くと連絡もらった時にはびっくりした。  結果的に、うちの両親にはだいぶ好印象だったらしい。  昔はともかく、今はお父さんの下で真面目にやってるのを知ってるし、もともと、いつも頑張ってるよな、って目で見てた彼が、引っ越し前の忙しい時にわざわざ来てくれたというのも親としては嬉しかったんだろう。  むしろ 「うちの方は蓮次くんなら全然心配ないし有り難いくらいだけど、亜美なんかでいいの?」 と真顔で母に言われて、彼が一瞬返事に困ったくらいだ。 「……いや、ちっちゃい頃から知ってますけど、亜美ちゃんいい子だし、俺の方がこれからしっかりしなきゃってくらいで」 って笑顔でフォローしてくれたけど。 「なんだよ。じっと見て。そんなにこの頭、変か?」  苦笑いする彼に、あたしは言った。 「まだ見慣れないけど、でも今の蓮次さんも好き」  一瞬、間があって、彼は溜息をつく。 「……敬語やめろとは言ったけど、……ヤバいだろ。それは」 「敬語に戻した方がいい?」 「いや、そのままがいい。タメ口の亜美ちゃん、俺ん中で結構新鮮だから。……そろそろ行くか?」  腕時計を見て、彼が言う。  今日は午前中に家まで迎えに来てくれて、途中でお昼を食べて、今は彼のアパートの近くの公園でお花見してたところだ。
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