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再始動
目の前に建っている光の柱がブゥンと低い音を立てて身震いすると、先端から何かを吐き出し始めた。
ハイシロは、柱の先端を見つめたまま、差し出していた両手を下ろした。
無事に、時間を進めることができたようだ。
循環が始まれば、凍り付いた湖が輝きだすはずだ。
後は、戻ってくるのを待とう。
白い息を吐きながら振り返ると、今までこの柱の時間を止めていた彼も柱の先端を見上げていた。凍り付いた湖のほとりには、祭に集まっていた両親をはじめとする白き者たちと小人たち、コズミ夫妻が居て、ことの成り行きを固唾をのんで見守っている。
ホントに、ツキシロとタイミングを合わせられているのか不安だった。
でも、うまくいったようだ。
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