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「で、話ってなに?」
「毎年貴族の家から当主ではない男が豊作祈願の儀式に参加しなきゃいけないのは知ってるでしょ?」
「それがなに?私女よ?」
「今年は家に元服ご済んでいる男子が何人いるか知ってる?」
「あんたでしょ?それに三つ下の紀之でしょ?知ってるわそれぐらい。」
「紀之は今遠方にいる。」
「じゃあ無理じゃん。御取り潰しだよ?」
「そう。だから姉さんの出番だよ。」
「なぜ私なの?」
「男装して。姉さん男っぽいし。」
「今何て言った?男装って聞こえたんだけど、私熱ある?」
「正常。間違いない。紀之のふりしてくれればいいから。」
「拒否権は?」
「ない。」
「あ、言い忘れてたけど、ちゃんと報酬はあるよ。姉さんが憧れてた宮仕え出来るから。」という甘い一言で承諾。そして冒頭に。辞した後、準備が進んでいると言われ、針子たちのもとへ。
「あ、香里様!出来てますよ。着てみてください。」
「意外と良いわね。ぴったりだし。これで髪を短くしたら本当に男ね。」
「それじゃあ髪も切っちゃいますね。切った後の髪はどうしますか?」
「私の部屋に仕舞っておいて。」
「切り終わりましたよ。御当主様の所に行ってください。切り終わったら来いと仰せです。」
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