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「ねぇ」
パラリと髪の毛が目に掛かるのを、春日がうるさそうに掻き上げる。
――少し髪の毛伸びたな。
ページを捲り顔を少し傾けると、耳にかけた髪の毛がまた零れ落ちる。
指が耳をなぞる様にして頬に落ちる髪の毛を押さえた。
兄崎は手を伸ばし柔らかい髪をすくうと、髪を抑えている春日の指と重なり、薄茶の瞳が初めて兄崎を認める。
「退屈」
「ゲームしても良いぞ」
おいおい、デートだろう?
二人で一つの事をしようじゃないか。
この展開をかえる良い機会かもしれない。
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