愛の唄

伝承

『ソレハ　ハネヲヒロゲ　ウタウヨウニ　イノルヨウニ　ツムガレルウタ　
ソノミハヒカリカガヤキ　テンノシュクフクニモニテ　ソノウタハ　コイノウタ　アイノウタ　
イチドダケ　タダイチドダケ　アナタノタメニ　ウタワレルウタ　
ドンナキセキモ　アナタノタメナラバ　スベテヲササゲカナエマショウ――』

トリノ一族の事を伝えた伝承。
背中に翼を持つとされる竜と番う事を運命づけられた今は亡き一族。
その歌声は天使のソレのようで、歌われる言葉の意味は分からないが心に響く魂の唄。
その歌は生涯のうち一度だけ奇跡を起こすと言われていた。

間違った伝承により人間により狩りつくされて今はもう一人も残っていない悲しい一族。

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お前の背中にあるその紋様は誰にも見せてはいけないよ。

それが10年前に亡くなった父の最期の言葉だった。