タイプX

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「いらっしゃいませー」 自転車をぶっ飛ばして指定された喫茶店につくと、店員の女性がすぐに応対してくれた。 「あの、待ち合わせで……」 そう言いながらキョロキョロすると、奥の方の席に仙山サリアが座っているのが見える。 店員もすぐに了解したようで、どうぞと言って手で促された。 「あの」 「あら、早かったですね」 サリアは何か本を読んでいたが、すぐに本を閉じて微笑んでくれた。 その笑顔にドキッとしたが、俯いて彼女の対面に座る秀樹。 今日はこの前のセーラー服ではなく、白いカッターシャツにカーディガンを羽織っていた。 ちょっと硬めの格好だが、サリアの容姿が整いすぎてて、それはそれでとてもいい感じだった。
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