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「ねぇ!あの人、英語科の人だよね!?
あかりちゃん、友達なの!?」
クラスで1番というくらいうるさい子が話しかけてきた。
「え!違うよ。今初めて話したよ」
「あの人、なんかカッコいいよね!」
「ね〜!」
別の子も同意する。
私に話しかけてくんなよ。お前らこの前私の下駄箱になんかしようとしてたろ。失せろ。
心の中で中指を立てる。
でもあかりは笑顔で対応した。
「はは。そうだね。何かよくわかんないんだけど」
(きっと体育の授業で着替えるのに私の席を使ったんだろう。でもなんで消しゴム…)
向かえの教室は、ここ静岡県山波中学校に新しく出来た英語科だ。
帰国子女や海外からの留学生も数人いるらしく英語が飛び交っているのが聞こえる。
体育の授業前だけ英語科の男子はこの教室を使って着替えをする。
やっぱりレディーファーストの人達が多いのかな、とあかりはふと思った。
かくいうあかりも英語好きだ。
時々聞こえる英語の会話に羨ましく思うものの
見ているだけ。
そうなのだ。あかりはコミュ障だ。
母国語でさえも上手く会話が出来ないのだ。
私は変だと思いながら生きている。
そして、普通になりたいとも。
普通?
普通ってなんだっけ。
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