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久しぶりの食堂。俺はワックワクで扉を開けた。
そして…
死にました()
人の集まりやすい場所、抱きたい抱かれたいランキングの上位者、しかもそれが複数人。
そしてこの学園には、この2つの条件が揃うと必ずと言っていいほど起こる現象がある。それが…
この悲鳴のようにも聞こえる大きな歓声だ。
「ぎゃああああああああああ」
「うおおおおおおおおおおお」
「椿様、今日も麗しい!!!」
「椿様マジエッロいな…俺と保健体育(実技)しませんかー!!!!!」
「俺の童貞貰ってください!椿様!!!!!!筆おろししてええええええええ」
「ハルちゃん、今日もてんしじゃあん!!!お膝乗る??!!」
「ハルちゃんのおしりかわいいいいいい」
「はがね君まじイケメン無理好き結婚。はい、僕達入籍いいいいい!!!」
「はがね君…僕と付き合ってよ!ねえ!!!じゃないと僕死ぬよ!?いいの!!!?」
これを全身で浴びてみろ、飛ぶぞ。
…まあ今ちょうど浴びてるところなんですが。
中等部までは別に歓声なんてなかったし、高校に上がって食堂を使う機会も減った為、実質歓声を浴びるのはこれが初めてだ。
すごい人気な奴らが通ると歓声が起こる事を知ってはいたが、実際に見たことは無かった。
…中等部の時は人を避けてたから、そういった場面に遭遇することも無かったしな。
そんな嬉しくもない初体験をしている俺は、2人に目を向けると、どうやら2人は慣れているようだった。
解せぬ。何故だ。
原因を探るべくよーく2人の耳元を見てみると耳栓をしていた。え!!なんでそんなの持ってんの!!オレニモカセヨオオオオ!!!
怒りを込めて二人の二の腕の肉をつまんでやった。ハルは気持ち優しめに、ハガネには全力で。するとハガネに思いっきり足を踏まれた。めっちゃ痛いですすみませんでした。
とりあえずこのヴァイオレンスな状況からぬけたくて、俺達は奥の方の目立たなさそうな席に逃げるように座った。
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