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「東京は久しぶりだよね。どこかに付き合う?」
円佳の実家を出てホテルに向かう時、恭貴は両親に訊いていた。
明日の昼に帰るということなので、午前には余裕がある。
「大丈夫。観光バスを予約してるの。
それが終わったら新幹線で帰るから、二人はゆっくりしててね」
観光バス……有名な黄色いバスだろうか。
地元なのに、円佳はまだ利用したことはない。でも、恭貴と一緒に参加してみたいと思った。
「分かった。それじゃ、帰る時に見送りに行くよ」
「そこまでしなくてもいいのに。でも、来てくれるなら嬉しいわね」
親にとっては、いつまでも子供だと分かる。微笑ましく見えて、円佳は小さな笑みを浮かべた。
「円佳と一緒に行くよ。時間は……」
新幹線の出発時刻を聞く恭貴は、やっぱり子供のように見えて、円佳は可笑しかった。
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