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(なんだこれは……? なにかのイベント?)
走り去っていく人影を、首をかしげて見送る。そして再び、博成の走っていった方向へと先野も走り出す。
博成を見失ったかもしれない。遊歩道から梅林に入ってしまっては、もう追跡のしようがない……。それでも走る。
すると、暗闇からなにかが飛んできた。
それは頭上を通り過ぎ、十メートルほど後方に落下する──したと同時に爆発した。爆風と熱が思いのほか強く、先野の体は吹き飛ばされる。なにがおきたのか混乱した。吹き飛ばされているとき、視界の端に二つの人影が動いているのが見えた。その体格から、一方は博成だろうと思われたが、もう一方は人間の形とはやや異なっていた。
(なんだ、あれは?)
ふたつのシルエットが空中を跳ねる……。
地面に激突した先野は、そこで気を失ってしまった。
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