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ワクワクの始まり
今日は色々あった。何よりナリユキさんと出会ったことが何よりも大きい。ナリユキさんが建ててくれたこの家。簡易と言っていたのに細部のこだわりが凄い。まず、この低反発マットレス。通気性がよくムレによる不快感を解消している上に、3層構造になっていて、体のピッタリとフィットする。そして観葉植物で部屋の空気を整えている。もし、暮らすとなればどんな部屋を作るんだろう? ものすごく見てみたい。ナリユキさんは、知り合いや動画配信しているファンから生産性の鬼って言われていたらしい。だから寝ることに出し惜しみをしないと――。
それであんなチートみたいなスキルを手に入れたのかな? 食料は流石に自分たちで調達しないといけないけど、それはそれで私の楽しみでもある。でもこれからどうするのだろう? 家をどこかに建てるのかな?
――あれ? 話し声が聞こえる。ナリユキさんとランベリオンさんの声だ。よし――。
と、部屋を出て隣のナリユキさんの部屋の扉をノックした。ナリユキさんは返事をしてくれたので一呼吸を置いて部屋にお邪魔した。
「声が聞こえていたので来ちゃいました」
「全然いいよ。俺についてくるなら聞いておいてほしい話でもあるし。ランベリオンお願いだ」
「うむ。ナリユキ殿からは最適な土地は無いか? という質問を受けた。ミク殿もナリユキ殿と共に行動するのだろ?」
「はい。同じ家でも私は構いませんよ?」
「同じ家!?」
うわ、ナリユキさんめちゃくちゃ吃驚している。あ、でもそうか。ナリユキさんからすれば、私はJD。やっぱり駄目なのかな? 形はどうであれ、男の子と一緒に暮らすのは憧れだったりするんだけど、ナリユキさんはどうなんだろう?
「駄目ですか?」
「いや、まあ別にいいけど」
「じゃあ決定ですね」
「うむ。で、ナリユキ殿は国を造りたいのだろ?」
「そうだな。俺のスキルは優秀だからどうせなら大きいことをしたいよな」
まさかの国造りでしたか――確かにそのスキルがあれば国なんて簡単に造れる。でも実行するのはやっぱり凄いな。年上男性って皆こうなのかな? いや、駄目な人もいる。ナリユキさんのネジは外れているとも言えるけど。
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