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失うものと得るもの
※ ※ ※
「おっ、トンズラ正解。入れたわ」
次のターン、早速穴の中に足を踏み入れてみると、さっきまでと違って普通に通ることが可能になっていた。
この時点で、ルーレットが必要なダンジョンという選択肢はなくなる。
(俺っち流石っ!!)
「よっ、ポンコツ勇者!!」
(誰がポンコツやねん!)
といつもと同じくだらない掛け合いをしつつ、俺はそのまま中に入って進んで行く。
穴の中は、外よりも大分冷えていて、むしろ寒い。
そして目の前に続く長い一本道の上部には、青色に光る苔が輝いてその道を照らしていた。
たったそれだけの事なのに、なぜかその光景は幻想的な雰囲気さえ醸し出している。
「なんかここ、まさに清浄なる道って感じだな」
(俺っちは正常位なる道の方がいいっぺ)
「うまいっ! ってなんでやねん!」
そんなノリツッコミをしつつ、ただひたすら真っすぐ進んで行くと、その先に大きな広場が見えてきた。
その中央には湧き水から生った(なった)泉ができていて、その中心に翼のついた女性の象が見える。
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