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「うぅ」
気の抜けたような声を出したおじさんは呼吸を整えて、ズルリと私から抜き取った。
入っていた感触が残り、ズキズキと痛くてたまらない。
おじさんのベルトを締め直すカチャカチャという音が耳に入った。
やっと終わったんだよね?
恐怖と痛みで動くことができず、床の一点を見つめていると
「······汚いな」
低くて冷たい言葉を放つと私の横腹を蹴り始める。
私は蹴られている方に背中を向け、横向きになった。
おじさんはフッと笑い、部屋を出ていった。
バタンッという音だけが耳の中に残った。
全身の力が抜け、心臓の音がドクンドクンと聞こえる。
どうして、そんなことになってるんだろう。
声出したからかな。
私が何かしたのかな。
「お前が生まれてきたのが悪いんだ」
昔おばあちゃんに言われた言葉を繰り返し思い出す。
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