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 「おいおい、何だこれ……」  何者かから届いた巨大な段ボール箱を開けると、 その中には一台の猫型ロボットが丁寧に収納されていた。 両手で抱えられるほどの大きさだが、重量はかなりのもの。 滑らかな表面のところどころには、小さな傷が見受けられる。 これが最近流行りの押し付け商法という奴なのか? まんまと中古品を掴まされた。 運送中に取れたと思われるネジも、何本か箱の隅に集まっている。  横向きに置かれているいたずらねこの足元には、紙の束が。 取扱説明書のようだ。 『この度は、いたずらねこをご購入いただき、誠にありがとうございます。  本商品は、いたずら機能を搭載した猫型ロボットとなっております。  微笑ましいいたずらの数々をぜひお楽しみください。』  購入した覚えはないんだけどなぁ。 「えっと、電源はどこかな……あ、腹のど真ん中か」 とりあえず俺は、いたずらねこの腹部にある電源を入れてみた。 静寂が続く。初期充電が無いパターンか。 やれやれ、急に家に来たと思ったら、電力まで奪いやがって。
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