第五章

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先輩はそこまで言うと、私の隣に座り、黙り込んでしまった。 彼の目線の先にはベッドがある。 私の部屋はワンルームな上に部屋は狭く、ベッドを背もたれ代わりにしていつもご飯を食べている。 それはさすがに行儀が悪いだろうと思ったけれど、もしかしたらそっちの方が姿勢はラクかもしれない。 「先輩、ベッドの方に行きますか?」 「へっ!」 「いや、そのほうが背もたれになるからラクかなっと思いまして」 「あっ、ああ、なるほど。そ、そうだな、俺だけそうしようかな」 「じゃあお箸や取り皿の位置、変えますね」 そして彼は咳ばらいをしながら、座り直し、私はお茶碗にご飯をよそって彼に渡す。
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