1685人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
そしてワンルームのセンターテーブルに作り上げた料理を並べていく。
だし巻き卵に茶碗蒸し、肉じゃがに水菜のサラダや豚汁を用意してみたけれど、これで大丈夫だろうか。
私の数少ないレパートリーの中で、なんとか人に食べてもらえる料理を作ったけれど、今まで誰かに食べてもらえる機会なんてなかったから、不安しかない。
「うわっ、うまそう!」
だけど、その不安は先輩の声で一気に消し飛んだ。
手洗いを終えた悠斗先輩が部屋に入ってきた途端、料理を見て大きな声でそう言ってくれたのだ。
「本当ですか?」
「ああ、マジでうまそう! 倉橋って前、弁当を作ってくれたことがあるけど、料理うまいよな」
「それは食べてから言ってください……。自信ないです」
「いや、この見た目で白飯が食えるって。すごいな」
最初のコメントを投稿しよう!