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ただただ、丸みを帯びた十代の女の子特有の文字で、稚拙な文章が書かれた手紙だった。
だけど、気づけば僕の目からは涙がどっと溢れていた。
涙が溢れて止まらなかった。
僕は手紙と共に埋められていたタオルを取り出し、そのタオルで涙を拭いた。
古くて使い物にならなそうなタオルだったが、とても温かくて優しい気持ちになった。
ふと、空を見上げた。涙で滲んだ夜空の中で、1つの星が一際煌めいていた。
「一番星、みーつけた」
-完-
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