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「え?」
一時停止。
ポーズ。
突然の言葉に、雅の動きも溢れかけた涙も止まった。
「やだ、何を急に……!」
「急にじゃない。いつも思ってはいる。けど……」
智也は居心地悪そうに言う。
雅の剣幕に思わず本音が口をついて出たのだろう。
「もう、何、言ってるのよ!」
智也の歯切れ悪い言葉に対し、雅の方は止まらない。
「そんなメテオかアルテマ級の言葉を言ったら、智也さんのHP大きく減って 死んじゃうわよ?!」
「は? メテオ? アルテマ?」
「むしろ、初めてその言葉聞いた私がHPめちゃくちゃ削られたー!」
「ごめん。言っている言葉の意味が、分からないんだけど」
なぜか真っ赤になって叫びまくる雅に、戸惑う智也。
両親の様子を見ている子供達も、どうしたものか、困っている。
(でも、多分、きっと)
雅は思う。
この後に、みんなで食べるケーキは美味しいのだろう……と。
ねえ、おじいちゃん。
なんで、私、この人のHPの心配をしているんだろう、ね?
ー了ー
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